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水戸地方裁判所 平成11年(ワ)622号 判決 2000年12月21日

原告

佐藤さい子

ほか二名

被告

川合運輸株式会社

ほか一名

主文

一  被告らは、原告佐藤さい子に対し、連帯して金四七一〇万二二九九円及びこれに対する平成一〇年一〇月二二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告らは、原告佐藤麻衣に対し、連帯して金二二四六万一三四九円及びこれに対する平成一〇年一〇月二二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

三  被告らは、原告佐藤祐子に対し、連帯して金二二四六万一三四九円及びこれに対する平成一〇年一〇月二二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

四  原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

五  訴訟費用は、これを一〇分し、その一を原告らの負担として、その余を被告らの負担とする。

六  この判決の第一ないし第三項及び第五項は仮に執行することができる。

事実及び理由

第一請求

一  被告らは、原告佐藤さい子に対し、連帯して金五二九五万二五五四円及びこれに対する平成一〇年一〇月二二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告らは、原告佐藤麻衣に対し、連帯して金二四一五万四六八六円及びこれに対する平成一〇年一〇月二二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

三  被告らは、原告佐藤祐子に対し、連帯して金二四一五万四六八六円及びこれに対する平成一〇年一〇月二二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要

一  事案の骨子

本件は、後記二、1の交通事故(本件交通事故)により死亡した佐藤稔(以下「稔」という。)の妻である原告佐藤さい子(以下「原告さい子」という。)並びに稔の子である原告佐藤麻衣(以下「原告麻衣」という。)及び原告佐藤祐子(以下「原告祐子」という。)が、後記加害車両(本件加害車両)の運転者である被告石井靖治(以下「被告石井」という。)及び右車両の使用者である被告川合運輸株式会社(以下「被告川合運輸」という。)に対し、自動車損害賠償保障法三条に基づく損害賠償請求として、それぞれ連帯して、原告さい子については五二九五万二五五四円、原告麻衣及び原告祐子についてはそれぞれ二四一五万四六八六円、並びに右各金員に対する不法行為の日(本件交通事故発生日)である平成一〇年一〇月二二日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を支払うことを求めた事案である。

なお、原告らが主張した損害の内訳は別紙損害賠償金内訳表記載のとおりである。

二  前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後記括弧内の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定することができる事実)

1  被告石井は、平成一〇年一〇月二二日午前四時四五分ころ、普通貨物自動車(福島一一い八四五六)(以下「本件加害車両」という。)を運転し、茨城県那珂郡瓜連町大字中里一八番地の二付近道路を茨城県大宮町方面から水戸市方面に向かい自車前照灯を下向きにし、道路標識により指定された最高速度(五〇キロメートル)を超過する時速約八〇キロメートルで進行中、折から道路左側端を同方向に向かい進行中の稔運転の原動機付自転車(以下「本件被害車両」という。)の右後部に自車左前部を衝突させて、本件被害車両及び同人を路上に転倒させた(以下「本件交通事故」という。)。

2  本件交通事故時、本件加害車両の使用者は被告川合運輸であった。

3  稔は、本件交通事故により、びまん性脳損傷、頸髄損傷等の傷害を負い、右同日午前五時四五分ころ、死亡した。

4  稔は、昭和二三年八月二五日生まれであり、本件交通事故当時、五〇歳であった。

5  稔は、本件交通事故当時、檜山工業株式会社(以下「檜山工業」という。)に勤務する(甲三の1)傍ら、有限会社井坂新聞店(以下「井坂新聞店」という。)において新聞配達員として就労し(甲三の2)、平成九年度分の給与及び賞与の合計は、檜山工業分が六二四万九四八二円であり、井坂新聞店分が一一五万七六六三円であった。

6  原告さい子は、稔の妻であり、原告麻衣及び原告祐子は、いずれも原告の子である。

三  争点及びこれについての当事者の主張

1  本件交通事故による損害(争点1)

(原告らの主張)

本件交通事故による損害は、左のとおりであり、右損害のうち後記(三)ないし(九)は、いずれも原告さい子が支出した。

(一) 逸失利益 六二六一万八七四四円

稔は、昭和二三年八月二五日生まれの本件事故当時五〇歳の男子であり、会社に勤務し、同社において年額六二四万九四八二円の収入を得て、また、新聞配達員をして年額一一五万七六六三円の収入を得ていた。

右年収額合計七四〇万七一四五円を基礎として、就労年数を五〇歳から六七歳までの一七年間、生活費控除率を三〇パーセントとし、年五分の割合による中間利息を新ホフマン式計算法(係数一二・〇七六九)によって控除して稔の逸失利益を算出すると、六二六一万八七四四円になる。

被告らは、稔の新聞配達員としての収入について、逸失利益算定において考慮すべき就労期間を事故時から二ないし三年に限定すべきである旨主張するが、同人は右配達員としての就労を趣味のマラソンに関連する費用に充てる資金を確保するためにしていたこと等を考慮すれば、就労可能年齢である六七歳までこれを継続したものと推定するのが相当である。

(二) 慰謝料 二八〇〇万円

一家の支柱である稔の死亡によって原告らが受けた精神的苦痛は極めて大きく、その慰謝料は、稔の妻である原告さい子については一四〇〇万円、稔の子である原告麻衣及び原告祐子についてはそれぞれ七〇〇万円が相当である。

(三) 医療費 一六万九七〇〇円

(四) 葬儀費用 一五〇万一九五九円

(内訳)<1> 火葬場使用料 三万八八〇〇円

<2> 火葬場係員への謝礼 九〇〇〇円

<3> 葬具類費用 五三万九〇〇〇円

<4> 食糧費等 五八万五一五九円

<5> 住職への布施と車代 三三万円

(五) 仏壇購入費 五五万円

(六) 墓石代 一三五万四五〇〇円

(七) 死亡診断書 五万四六一〇円

(八) 戸籍謄本等徴求費 六八五〇円

(九) 雑費 五五六三円

(一〇) 弁護士費用 七〇〇万円

原告らは、被告らが任意に右損害の賠償をしないため、原告ら訴訟代理人に対し、本訴の提起及びその遂行を委任したが、その費用は、原告さい子については四〇〇万円、原告麻衣及び原告祐子についてはそれぞれ一五〇万円とするのが相当である。

(被告らの主張)

(一) 原告らの主張(一)(逸失利益)について

(1) 原告らは、稔の逸失利益を算定するにあたり、新聞配達員として得ていた収入を算定基礎に算入するが、右収入は本件交通事故発生時のような夜間・早朝時の就労によって得る副収入であり、将来に渡って継続的に得られる蓋然性のある収入とは到底みなし難く、仮に合算するとしても、その期間は合理的に限定されるべきである。

稔の新聞配達員としての就労は、本件交通事故の四年くらい前から始められたものであるが、生活費の捻出が目的ではなく、マラソンを趣味としていた同人が原告らと共にホノルルマラソンに参加するための資金を確保するために行っていたものであり、ホノルル行きの予定も近い将来のものであったことからすれば、右就労から得られる収入は、将来にわたって継続的に得られるものでないことは明らかであり、右収入を年収基礎額に合算すべき期間は本件事故時から長くとも二ないし三年間に限定されるべきである

(2) また、中間利息控除の計算方法は、ライプニッツ式によるべきである。

(二) 同(二)(慰謝料)は高きに過ぎる。

(三) 同(三)ないし(九)(医療費、葬儀費用、仏壇購入費、墓石代、死亡診断書、戸籍謄本等徴求費、雑費)は知らない。

2  稔の過失の有無、ある場合の過失割合(争点2)

(被告らの主張)

(一) 本件交通事故発生当時、同事故現場付近の道路は、雨のため湿潤し、路面は黒くなっており、自動車の前照灯の灯りは吸収されやすい状態にあり、また、付近に照明灯はなく、さらに、被告石井は、細かい雨が降っていたため、ワイパーを二、三秒おきに間歇作動させていたから、同被告にとって前方の視界は良好でない状態にあった。

(二) 他方、被害車両は、加害車両の前方を走行していたが、本件被害車両の尾灯は電球が切れて点灯しておらず、また、稔の服装は、黒色のウインドブレーカーの上下あるいはその上に小豆色のヤッケを着た格好であり、夜間、後続車両の運転者にとって目立ちにくいものであった。

(三) 以上によれば、本件交通事故発生時においては、天候条件、道路状況、被害者の服装の色いずれにおいても、後続車両の運転者であった被告石井からは、本件被害車両に乗った稔を認知しにくい状況にあり、そして、本件においては、何よりも夜間において後続車両に先行車両の存在を知らせて危険を回避するために重要な役割を果たす尾灯が故障していて点灯していなかったのであるから、被告石井からすれば、本件被害車両は極めて発見しにくい状態で走行していたことになる。したがって、本件交通事故発生については、被告石井の前方不注視が主たる原因であり、速度超過もその原因となっていたことは否定できないが、稔が尾灯を点灯させずに本件被害車両を走行させていたことも、被告石井が本件被害車両を直前まで発見できなかった大きな要因となっていたことは明らかであり、本件交通事故発生について、稔にも少なくとも二割程度の過失が認められるから、被告らは、右割合による過失相殺を主張する。

(原告らの主張)

(一) 本件交通事故当時、本件被害車両の尾灯が点灯していなかった事実は否認する。

本件交通事故の態様からすれば、同事故により、本件被害車両の尾灯が切れ、またはその電気系統に不具合を生じた可能性がある。

(二) 仮に、本件被害車両の尾灯が点灯していなかったとしても、<1>被告石井が前方の安全を確認しにくい不良な天候、道路状況下において、制限速度を時速三〇キロメートルを超過する速度で本件加害車両を進行させ、本件交通事故を惹起させたこと、<2>稔は、白いヘルメットを着用していたこと、<3>被告石井は、四六メートル先を視認することができる状況にあったにもかかわらず、一〇・五メートル手前に至って初めて本件被害車両を発見しており、前方注視義務の懈怠が著しいこと、<4>被告石井の過去における交通法規不遵守の事実等を考慮すれば、尾灯不点灯を被害者側の過失として考慮することは相当でない。

第三争点に対する判断

一  争点1(本件交通事故による損害)について

1  逸失利益 五五八四万五三九八円(請求額六二六一万八七四四円)

(一) 稔は、昭和二三年八月二五日生まれで、本件交通事故当時五〇歳であり(前記第二、二、4)、檜山工業に勤務する傍ら、井坂新聞店において新聞配達員として就労し、平成九年度分の給与及び賞与の合計は、右檜山工業分が六二四万九四八二円であり、右井坂新聞店分が一一五万七六六三円であった(同5、右合計七四〇万七一四五円)。

(二) 証拠(甲六、乙一六)及び弁論の全趣旨によれば、稔は平成五年ころからマラソンに興味を持つようになり、日曜や休日ごとによく練習をし、各地のマラソン大会に参加するようになったこと、平成七年秋頃から、マラソン関係の費用に充てるため、井坂新聞店に勤務し、新聞や牛乳の配達の仕事に従事するようになったこと、平成八年一二月には原告祐子を連れてホノルルに行き、同地のマラソン大会(ホノルルマラソン)に参加したこと、その後も、秋田県の一〇〇キロマラソンに参加する等していたこと、本件交通事故のころは、二、三年後、家族全員でホノルルに行き、同地のマラソン大会に参加することを計画していたこと、稔の妻である原告さい子は、平成八年一〇月から老人保健施設に介護職として勤務するようになり、これによる収入を得て、平成一二年六月の時点で、月額約一六、七万円の手取収入を得ていること、原告麻衣は、右時点において私立大学三年生であり、原告祐子は、同時点において公立高校三年生であることが認められる。

(三) 前記(一)及び前項の認定事実を前提に逸失利益を算出すると、年収のうち檜山工業分の収入六二四万九四八二円については生活費割合を三割としてこれを控除し、井坂新聞店分の収入一一五万七六六三円については稔の同店における就労が主としてマラソンにかかる費用捻出のためであったこと等(前項認定の事実)を考慮し、生活費割合を五割としてこれを控除し、右各控除後の金額の合計四九五万三四六八円に死亡時の年齢五〇歳から稼働可能期間である六七歳までの一七年間に対応するライプニッツ係数一一・二七四〇を乗じると五五八四万五三九八円となるから、稔の死亡による逸失利益は五五八四万五三九八円と認める。

なお、原告らは、中間利息控除について新ホフマン係数を主張するが、採用しない。

(四) 被告らは、井坂新聞店分の収入について、同店における収入は、本件交通事故発生時のような夜間・早朝時の就労によって得る副収入であり、将来に渡って継続的に得られる蓋然性のある収入ではなく、また、それが生活費捻出のためではなく、マラソンを趣味としていた稔が原告らと共にホノルルマラソンに参加するための資金を確保するために行っていたものであり、ホノルル行きの予定も近い将来のものであったことからすれば、右就労から得られる収入は、将来にわたって継続的に得られるものでなく、右収入を年収基礎額に合算すべき期間は本件事故時から長くとも二ないし三年間に限定されるべきである旨主張する。しかし、前記(二)の認定事実によれば、稔は近い将来に行うことを予定していたホノルルマラソン参加後も、趣味としてマラソンを続けていくこと、その間それにかかる費用等に充てる資金を確保するため新聞配達員としての就労を継続させたであろうことを推認することができるのであり、被告ら主張の事実を考慮しても井坂新聞店分の収入を逸失利益算定の基礎に算入する期間を限定することは相当でなく、他に右限定を必要とさせるに足る事実及び証拠はない。

(五) 原告らは、前記認定の逸失利益に関する損害賠償請求権を、原告さい子については二分の一、原告麻衣及び原告祐子については、各四分の一の割合でそれぞれ相続した。

2  慰謝料 原告さい子について一四〇〇万円(請求額と同額)

原告麻衣及び原告祐子について各七〇〇万円(請求額と同額)

本件訴訟に現われた事情(稔の年齢、家族構成、家族の年齢・就労・就学状況、本件交通事故の態様(前記前提事実(第二、二、1)、前記1、(二))、原告らの被害感情・被告らの慰謝の状況(乙一、二、一四ないし一六、二四、二五)等を総合勘案すると、稔の死亡による慰謝料は、合計二八〇〇万円をもって相当と認める。

3  医療費 一六万九七〇〇円(請求額と同額)

証拠(甲八の1、2)及び弁論の全趣旨によれば、原告さい子は、本件交通事故により稔の医療費として一六万九七〇〇円を支出したことが認められる。

4  葬儀費用、仏壇購入費、墓石代、雑費 合計二〇〇万円(請求額合計三四一万二〇二二円)

証拠(甲七、九ないし一二、一六、以上枝番のあるものは枝番を含む。)及び弁論の全趣旨によれば、原告さい子は、稔の葬儀関係費用として合計一五〇万一九五九円を、仏壇購入費として五五万円を、墓石代として一三五万四五〇〇円(墓誌一式、灯籠及び工事費を含む金額であり、基礎工事分及び消費税分を含めた金額は二五〇万円である。)を、雑費(稔用寝間着)として五五六五円を、それぞれ支出したことが認められるが、本件交通事故と相当因果関係を有する右葬儀費用等は合計二〇〇万円と認める。

5  死亡診断書徴求費用 九四五〇円(請求額五万四六一〇円)

証拠(甲一三の<1>ないし<4>)及び弁論の全趣旨によれば、原告さい子は、稔の死亡診断書を徴求するための費用として合計五万四六〇〇円を支出したことが認められるが、このうち、甲第一三号証の<2>ないし<4>により勤務先提出用及び生命保険金請求用に徴求したことが推認される分を除いた九四五〇円(甲一三の<1>)を本件交通事故に関する損害賠償請求関係費用として認める。

6  戸籍謄本等徴求費用 四五〇円(請求額六八五〇円)

証拠(甲一四)及び弁論の全趣旨によれば、原告さい子は、戸籍謄本及び住民票徴求費用として六八五〇円を支出したことが認められるが、右費用のうち、戸籍謄本一通徴求分四五〇円を本件交通事故に関する損害賠償請求関係費用として認める。

二  争点2(過失相殺)について

被告らは、稔が、夜間、後続車両に先行車両の存在を知らせ、危険を回避させるために重要な役割を果たす尾灯を点灯させずに本件被害車両を進行させた等として、過失相殺を主張する。そして、乙第七号証(実況見分調書)によれば、本件交通事故当日に実施された茨城県那珂警察署の実況見分において、本件被害車両の前照灯、制動灯、方向指示機に異常はないが、尾灯は点灯しないことが確認されたことが認められ、さらに右不点灯の主張に沿う供述証拠(乙一三、二六)もある。

しかし、本件被害車両は、本件加害車両に追突され、転倒し(前記第二、二、1)、さらにこれにより本件被害車両の一部に破損(後部については右後部方向指示機の破損(レンズのみ)等)を生じさせていること(乙一三)からいって、右追突、転倒による衝撃により本件被害車両の尾灯の電気系統等に不具合が生じ、これにより尾灯が点灯しなくなった可能性が考えられるところ、本件交通事故後、右車両の尾灯の電球を交換するだけで同尾灯を点灯させることができたことについての証拠など、右可能性を排斥するに足る証拠はなく、右認定事実から、本件被害車両が尾灯不点灯のまま走行していたことを推認することはできない。また、前記供述証拠(乙一三、井坂弘明)中には、「バイクの状態からみて、事故前から尾灯の球が切れていたのだと思います。」との供述部分があり、また、前記供述証拠(乙二六、被告石井)中には、夜間であり尾灯が点灯していれば、より手前において本件被害車両を発見できたはずだから同車の尾灯は点灯していなかったと思う旨の供述部分があるが、これらは、いずれも右各供述者の推認に止まり、尾灯不点灯の事実を認めるに足りない。そして、他に、右事実を認めるに足りる証拠はない。

したがって、右事実を前提とする被告らの過失相殺の主張は理由がない。

三  弁護士費用 六〇〇万円(請求額合計七〇〇万円)

本件事案の内容、訴訟経過等を考慮すると、本件交通事故と相当因果関係のある弁護士費用相当の損害額は、六〇〇万円(原告さい子・三〇〇万円、原告麻衣及び原告祐子・各一五〇万円)と認めるのが相当である。

第四結論

以上によれば、原告らの請求は、被告らに対し、連帯して、原告さい子につき四七一〇万二二九九円、原告麻衣及び原告祐子につき各二二四六万一三四九円(小数点以下切捨て)と右各金員に対する不法行為の日である平成一〇年一〇月二二日から各支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を支払うことを求める限度で理由があるから、右限度でこれを認容し、その余はいずれも理由がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。

(裁判官 廣田泰士)

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